​【40人目・41人目|覚醒前夜】「世界中が、僕をバカにしている気がした」

恋愛遍歴

同窓会が終わってからもしばらく、僕の中には“あさみ”と別れたショックが残っていた。振り回されて、傷ついて、ボロボロになったくせに。 心のどこかではまだ、

「あさみ以上の女が現れれば、全部忘れられる」そんな都合のいいことを考えていた。

だから大阪で出会った“レベル90の美女”に、僕は本気で救われたかったんだと思う。でも現実は違った。キスをするたび、彼女は“まずい飯を食べた時みたいな顔”をした。拒絶はしない。 逃げもしない。 ちゃんと受け入れてくれる。

でも、顔だけが本音を隠しきれていなかった。その表情を見るたびに、僕の中の何かが少しずつ削れていった。結局、その美女とも自然消滅した。またダメだった。 また「選ばれなかった側」に戻った。

そんな頃だった。職場でも、空気がおかしくなり始めていた。

工場勤務。

汗。

油。

怒鳴り声。

男ばかりの現場。上司からも、後輩からも、どこか舐められていた。部下を守るどころか、一緒になって笑う上司。 あからさまにナメた態度を取ってくる後輩。

仕事もそこまでできない。 要領も良くない。しかも当時の僕は、変に“モテようとしてる感”だけが滲み出ていたんだと思う。

会社の女性社員二人も、そんな僕を見て半笑いだった。立場も部署も違うはずなのに、 僕に向ける目は同じだった。露骨な悪意じゃない。でも分かる。「あ、この人たち、俺のこと下に見てるな」って空気。

その感じが、妙にキツかった。ある日。 休憩室で、その女性社員の一人が笑いながら言った。

「まふぇっとさんって、なんか頑張ってますよねw」

周りもクスクス笑っていた。たぶん悪気はなかったんだと思う。でも、その瞬間。胸の奥に溜まっていたものが、一気に噴き出しそうになった。

39人目の美女。

アプリの連敗。

会社での扱い。

上司の圧。

後輩の視線。

全部が繋がった。

(なんなんだよ)

(なんで俺ばっかり)

誰からも選ばれない。 女性にも舐められる。 男性にも舐められる。頑張っても空回り。気づけば、世界中が僕を小馬鹿にしているような気がしていた。

僕を半笑いで見ていた、会社のあの2人の女性。今思えば、彼女たちこそが僕の苦い歴史の「40人目」と「41人目」だった。

そしてその夜。コンビニの駐車場で、タバコを吸いながら、車の窓ガラスに映った自分の顔を見ていた。

疲れた顔。中途半端な髪型。モテそうでもない。 強そうでもない。何者にもなれていない男。

(……ダサい)

その瞬間、頭の中で、パチン、何かが切れた気がした。

もういい。もう真面目にやるの、やめよう。

優しくしてもダメ。

普通でもダメ。

真面目でもダメ。

だったら、もう“怖そうな男”になるしかない。気づけば僕は、 スマホで「モテる男」「ヤンキー 髪型」「メンズエッグ」みたいな言葉を検索していた。

全員、見返してやる。その瞬間から。僕は少しずつ、おかしくなり始めた。

【42人目|闇堕ち編】「ナメられたくなかった」につづく

💡 今日のまふぇっと教訓

👉 男は、“優しさ”が踏みにじられ続けると、急に黒くなる。

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あの頃の僕は、出会いがあれば人生が変わると思っていた。実際は、出会っただけでは変わらなかった。それでも、出会わなければ42人目の黒歴史も存在しなかった。もし今、出会いがないなら。

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