マッサージチェアの前で、僕は逃げた
前回の「ウォーウォーの女」で、横浜での初デートは散々な結果に終わった。
でも、僕は懲りなかった。ここは横浜。関西よりも、街を歩いている女性が洗練されているように見える。
「あれは事故だ。たまたまだ」
「次こそは……!」
そう思って、マッチングアプリで次の女性と会う約束をした。
待ち合わせ場所は、〇〇駅近くのヤマダ電機。まだ横浜に来たばかりで土地勘もなく、少し迷いながら店に向かった。
彼女から指定された待ち合わせ場所は、家電コーナーのマッサージチェア。
「マッサージチェアに座って待ってるね」……なんだ、その待ち合わせ。
そう思いながら、僕は店内を探した。マッサージチェアの前で家電コーナーに到着。
マッサージチェアが並んでいる。そして、その中にそれらしき女性がいた。
僕は緊張しながら、後ろから近づいていく。女性と会う直前は、いつも緊張する。
心臓はバクバク。でも、このヒリヒリする感じが嫌いじゃない。
「よし……行くぞ」
声をかける前に、僕は一度その女性の前を通り過ぎながら、顔を確認した。
(横浜の洗練された女性であってくれ……!!)
チラッ。……。……あれ?正直に言う。僕が想像していた感じとは、かなり違った。
服装もかなりカジュアルで、気合いを入れてきたようには見えない。
僕の頭の中に、前回の「ウォーウォーの女」と過ごした1時間が蘇った。
(また……あんな感じだったらどうしよう)
そして、ここから僕の中で、とんでもなく情けない葛藤が始まった。
【本能】逃げろ!
【理性】「せっかく来てもらったんだから、声をかけろ
【本能】「いや……でも……」「前回は本当に帰りたかったんだよ」
【理性】「約束したんだろ?」「だからって、何も言わずに逃げるのは最低だろ!」
【本能】「……でも……」「……分かってる」
「俺は。。。俺は。。。楽になりたいんだー!!」
負けた。僕はその場から、そっと離れた。
ヤマダ電機から逃走
声をかけなかった。謝りもしなかった。
ただ、そのままヤマダ電機を出た。今思えば、本当に申し訳ないことをしたと思う。
わざわざ待ち合わせ場所まで来てくれた女性からすれば、「……え? どこ行った?」という話だ。
でも当時の僕には、それよりも「また失敗したくない」という気持ちが勝ってしまった。
そして店を出た僕は、心の中で何度も自分に言い訳をした。
(仕方ない……)
(今回は事故だった……)
(次がある……!)
……いや。普通に俺が悪い。今から思えば……この一件で、僕はひとつ学んだ。
マッチングアプリで、相手の顔写真をちゃんと確認してから会おう。
……遅い。あまりにも遅い。でも、それまでの僕は「実際に会えば何とかなる」と思っていた。
その結果、62人目――ウォーウォーの女。
63人目――ヤマダ電機の女。
横浜に来て、まさかの2連敗。関西で積み上げてきた経験など、横浜では何の役にも立たなかった。
それでも僕は懲りない。
「よし……次だ!」逃げた男は、また次の女性を探し始めた。
【今日のまふぇっと教訓】
👉 マッチングアプリで会うなら、せめて顔写真は確認しておけ。ヤマダ電機まで行ってから逃げるな。
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