【58人目|回想編】2時間の女

恋愛遍歴

「冷たくて強い男」への憧れ

当時の僕は、かなり屈折していた。周りの女性から馬鹿にされているような気がして、悔しくて仕方なかった。

そして、相手を思ってない様に見える、冷たくてクールな男が女性にモテるのが羨ましくて、悔しかった。

その反動で、

「相手の目を見ない」

「冷たくて余裕のある男がカッコいい」

そんな謎の美学を必死に守っていた。【43人目|強がり編】網タイツとおしるこの美学と出会ったのもちょうどこの頃だ。

本来の僕は、そんなに冷たい男じゃない。好きな人と仲良くなりたい。愛されたい。よく女性の話を聞く大人しい男性。

でも、傷つきたくなかった。

だから自分の中に、もう一人の男を作った。

「女なんて別にどうでもいい」

「エッチできたって、そんなことで喜ぶな」

そんなことを自分に言い聞かせる、冷たくて強い男。今思えば、笑えるがその時は真剣だった。

梅田の昼ドライブ

そんな夏の日の昼下がり。マッチングアプリで知り合った年下の女性と、梅田で待ち合わせた。

現れた彼女は、可愛らしくておしゃれな、いわゆる「妹系」の女の子だった。

そして僕には、なんとなく分かった。彼女が僕を、「頼れるお兄さん」として見ている。心地よい視線。もう一人の自分はこれはイケるかも!?と喜んでいた。

愛車に乗る僕の姿や、あえて冷たく振る舞っていたことも、彼女からすれば「余裕のある大人の男」に見えたのかもしれない。

梅田で合流し、そのまま車で少しドライブ。会話がものすごく盛り上がったわけでもない。運命的な何かがあったわけでもない。

ただ当時の僕は、例の「冷たい男」を演じていた。だから、後先なんて考えずに誘った。

「ホテル行く?」彼女は断らなかった。そして車は、そのままホテルへ向かった。

小心者でビビリのくせに、できるだけ「当たり前ですよ」という顔をしていた。今思えば、必死にクールビューティを演じていた

直視できない男と、2時間の出来事

ホテルに入ってからも、僕は最後まで「冷たい男」を演じていた。相手の目をまともに見ない。

せっかく可愛い女性と二人きりになったのに、僕は彼女の顔すらろくに見ていなかった。

そして、終わると余韻に浸ることもなく、彼女を車に乗せて元の場所へ送った。

待ち合わせ。

ドライブ。

ホテル。

解散。

全部合わせて、約2時間。短い。あまりにも短い。彼女は最後までニコニコしていた。

でも、僕には彼女が何を考えていたのか、さっぱり分からなかった。

その後、連絡先を交換することもなかった。「今日はありがとう」もない。「また会いたい」もない。

僕も僕で、「向こうから連絡してこないなら、こっちからする必要もない」と、最後までスカしていた。

こうして、2時間だけの出会いは終わった。

今から思えば。。。

当時の自分をぶん殴ってやりたい!

なんでしっかり見ないの!

女性の裸だよ!

好意の視線だよ!

こんな経験もうないかもよ!

バカバカバカー!

あの頃の僕は、恋愛に感情を振り回されていた

第三者から見れば、ただの軽い関係だったと思う。でも、当時の僕はそう思っていなかった。

身体の関係って、もっと特別なものだと思っていた。好きでもない相手と、簡単にするものじゃない。

解散した後、僕はこう思った。「出会ってすぐにこういうことをする女性とは、本気では付き合えないな」

……いや。お前が誘ったんだろ。

今ならそう言いたい。自分から誘っておいて、相手が応じたら、「こういう女性とは付き合えない」って何様なんだ。

当時は本気でそう思っていた。「可愛い子と出会った日にこうなった。ラッキー!」と素直に喜べばいいのに。

傷つきたくない。女に振り回されたくない。自分が上の立場でいたい。そんなくだらないプライドが、全部を邪魔していた。

たった2時間の記憶だけだった。それでも、この女性との出会いには意味があった。

僕はこの頃から少しずつ、「強い男」と「強がっている男」は違う。そのことに気づき始めていたのだと思う。

【今日のまふぇっと教訓】

👉 強がって「冷たい男」を演じると、せっかくのチャンスまで自分で潰す。

今なら、あの2時間をもっと普通に楽しめたと思う。冷たい男になりたかった若き日の僕が、自分で作ってしまった「2時間の女」だった。

更新を応援してくれる方は、下のボタンをポチッとお願いします!

にほんブログ村 恋愛ブログ 愛の軌跡・記録へ
にほんブログ村

コメント

タイトルとURLをコピーしました