小動物系の美女と、初めてのレストランデート
横浜での迷走が続いていた頃。次に出会ったのは、小柄で小動物のような雰囲気の女性だった。
顔立ちもかなり整っている。第一印象は、もちろん悪くない。
「今回は、普通にいけるかも」そんなことを思いながら、僕たちは初めてのご飯デートへ向かった。
僕が注文したのはオムライス。そして彼女が選んだのは、ラザニアだった。
このときの僕は、まだ何も知らなかった。このラザニアを食べ終わるまでに、1時間10分かかることを。
15分で食べ終わった僕
料理が運ばれてきて、二人で食べ始めた。僕はもともと、そこまで食べるのが遅い方ではない。
でも、さすがにデートなので、「ちょっと彼女のペースに合わせよう」と思った。
いつもよりかなりゆっくり食べた。それでも――15分で完食。「ふぅ」
そして、向かいの彼女を見る。
……まだ食べている。
まあ、ラザニアは熱いしな。最初は、そう思った。
彼女は一口食べる。そして僕を見る。
にこっ。
「美味しい」
また一口。
にこっ。
「美味しい」
「……可愛いな」最初は本当にそう思った。ところが、10分。20分。
時間が経つにつれて、僕はだんだん手持ち無沙汰になってきた。
「美味しい?」と聞いたら、さらに遅くなった
あまりにも沈黙が続くので、僕から話しかけた。
「美味しい?」彼女は僕を見る。そして、
にこっ。
「美味しい」
……終わり。
会話が続かない。しかも、彼女は喋るのもゆっくりだった。
僕が話しかける。
↓彼女がゆっくり答える。
↓その間、食べる手が止まる。
↓さらに食べるのが遅くなる。
「いや、これ俺が話しかけない方がいいんじゃないか?」
僕は途中から、そんなことまで考え始めた。
時計を見る。まだ食べている。
また時計を見る。まだ食べている。
僕のオムライスは、とっくに胃袋の中。なのに彼女のラザニアは、まだ皿の上にいる。
「……いつ終わるんだ、これ?」
1時間10分後
そして――店に入ってから、1時間10分が経過した。
僕はもう、ほとんど無言で彼女のラザニアを見守っていた。
すると彼女が、スッとフォークを置いた。「ごちそうさまでした!」僕は思った。
「やっと終わった……」そして、皿を見る。そこで僕は固まった。ラザニア、半分残っている。
「…………え?」1時間10分かけて、半分。僕は何も言えなかった。
もう笑うしかなかった。そして店を出た。外の冷たい風に当たった瞬間、
「ふぅーーーー……」と思った。やっと終わった。あの解放感は、今でも覚えている。
ちなみに、その後もう一度会うことはなかった。
—【今のまふぇっとの独り言】
今振り返っても、見た目は本当に可愛らしい女性だった。だから最初は、「いいかも」と思っていた。
でも、食べるスピードが違うこと自体が問題だったわけじゃない。多少ゆっくりでも、普通に会話ができれば全然いい。
ただ、あまりにも彼女のペースだった。僕は目の前にいるのに、なんだか一人で食事をしているような感覚になっていた。
そして何より――1時間10分かけて、ラザニア半分。これは、さすがの僕にも無理だった。
—【今日のまふぇっと教訓】
👉 どれだけ顔が好みでも、食事の時間まで止まってしまう女性とは、恋愛もスローモーションになる。
更新を応援してくれる方は、下のボタンをポチッとお願いします!
にほんブログ村

コメント