大学生。人生で一番自由で、そして一番「出会い」に飢えていた時期。しかし現実は残酷だった。
僕たち3人には彼女がいなかった。そしてモテる気配もまったくなかった。ある夜、誰かが言った。
「このまま待ってても、彼女できなくない?」
……確かに。授業、バイト、帰宅。そんな生活を繰り返していても運命の出会いなんて、どこにも落ちていない。
その日、僕たちは決めた。自分たちで取りに行くしかない。こうして結成されたのがナンパ同盟だった。
主戦場に選んだのは、街で一番若者が集まる巨大アミューズメント施設。
ビリヤード
カラオケ
ゲームセンター
夜でも明るく、学生たちがたむろする場所。今で言うラウンドワンのような施設だ。
ビリヤードの球が弾ける音。カラオケから漏れる歌声。ゲームセンターの騒音。青春と欲望が渦巻く、まさに不夜城だった。
ナンパ同盟は、男3人で構成されていた。
まずは イケチャン。
身長175cm、モデルみたいな体型。顔も小さく、普通にしていれば一番モテそうな男だった。
ただし問題がひとつある。白すぎる。ゲームセンターの暗い照明の下では「生きてる?」と心配されるレベルだった。
次に ジョージ。
身長168cm。顔は可愛いが、少しぽっちゃり。そしてなぜか花柄シャツをピチピチに着てくる。
不思議なことに、女子はジョージの隣に座ると急に安心する。たぶん「この人は絶対に襲ってこない」という確信を得るのだろう。
ちなみにジョージは車の中ではめちゃくちゃ強気だ。「今日は余裕っしょ」しかし現場に着くと急に無口になりずっと下を向いている。
そして最後が 僕。
自称「恋愛経験者」。デート経験があるという理由だけで自分をグループの参謀だと思っていた。
しかし現実はただの小心者。序列で言えばだいたい一番下だった。
僕たちはナンパのことを「戦闘」と呼んでいた。女の子に声をかける前、誰かが少しでも躊躇すると
「びびってるんすか?」
と煽られる。そして戦闘が始まる。結果は――ほぼ全敗。
声をかけては振られ、ゲームセンターの円卓テーブルに戻る。そこですぐ始まるのが反省会。
中心にいるのはイケチャン。彼はなぜか前髪を左右に広げながら冷静に戦況を分析する。
「行くか?行かないか?」を1時間くらい迷うその姿を見ながら僕とジョージは言う。
「次どうします?」
完全に指示待ち部下だった。ちなみに、僕たちの成功率は――20戦1勝。それでも僕たちは諦めなかった。
振られて笑い、振られてまた声をかける。そんな夜を何度も繰り返した。
そしてこの「不夜城」で僕は4人の女性と出会うことになる。笑える話もあれば、ちょっと切ない話もある。これはその頃の僕たちの少しバカで、少し青春だった物語。
💡今日のまふぇっと教訓「一人の惨敗は悲劇。でも三人の惨敗は、だいたい爆笑になる。」


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