【65人目|関東編】1時間10分のラザニアと、時が止まった小動物系美女

恋愛遍歴

小動物系の美女と、初めてのレストランデート

横浜での迷走が続いていた頃。次に出会ったのは、小柄で小動物のような雰囲気の女性だった。

顔立ちもかなり整っている。第一印象は、もちろん悪くない。

「今回は、普通にいけるかも」そんなことを思いながら、僕たちは初めてのご飯デートへ向かった。

僕が注文したのはオムライス。そして彼女が選んだのは、ラザニアだった。

このときの僕は、まだ何も知らなかった。このラザニアを食べ終わるまでに、1時間10分かかることを。

15分で食べ終わった僕

料理が運ばれてきて、二人で食べ始めた。僕はもともと、そこまで食べるのが遅い方ではない。

でも、さすがにデートなので、「ちょっと彼女のペースに合わせよう」と思った。

いつもよりかなりゆっくり食べた。それでも――15分で完食。「ふぅ」

そして、向かいの彼女を見る。

……まだ食べている。

まあ、ラザニアは熱いしな。最初は、そう思った。

彼女は一口食べる。そして僕を見る。

にこっ。

「美味しい」

また一口。

にこっ。

「美味しい」

「……可愛いな」最初は本当にそう思った。ところが、10分。20分。

時間が経つにつれて、僕はだんだん手持ち無沙汰になってきた。

「美味しい?」と聞いたら、さらに遅くなった

あまりにも沈黙が続くので、僕から話しかけた。

「美味しい?」彼女は僕を見る。そして、

にこっ。

「美味しい」

……終わり。

会話が続かない。しかも、彼女は喋るのもゆっくりだった。

僕が話しかける。

↓彼女がゆっくり答える。

↓その間、食べる手が止まる。

↓さらに食べるのが遅くなる。

「いや、これ俺が話しかけない方がいいんじゃないか?」

僕は途中から、そんなことまで考え始めた。

時計を見る。まだ食べている。

また時計を見る。まだ食べている。

僕のオムライスは、とっくに胃袋の中。なのに彼女のラザニアは、まだ皿の上にいる。

「……いつ終わるんだ、これ?」

1時間10分後

そして――店に入ってから、1時間10分が経過した。

僕はもう、ほとんど無言で彼女のラザニアを見守っていた。

すると彼女が、スッとフォークを置いた。「ごちそうさまでした!」僕は思った。

「やっと終わった……」そして、皿を見る。そこで僕は固まった。ラザニア、半分残っている。

「…………え?」1時間10分かけて、半分。僕は何も言えなかった。

もう笑うしかなかった。そして店を出た。外の冷たい風に当たった瞬間、

「ふぅーーーー……」と思った。やっと終わった。あの解放感は、今でも覚えている。

ちなみに、その後もう一度会うことはなかった。

【今のまふぇっとの独り言】

今振り返っても、見た目は本当に可愛らしい女性だった。だから最初は、「いいかも」と思っていた。

でも、食べるスピードが違うこと自体が問題だったわけじゃない。多少ゆっくりでも、普通に会話ができれば全然いい。

ただ、あまりにも彼女のペースだった。僕は目の前にいるのに、なんだか一人で食事をしているような感覚になっていた。

そして何より――1時間10分かけて、ラザニア半分。これは、さすがの僕にも無理だった。

【今日のまふぇっと教訓】

👉 どれだけ顔が好みでも、食事の時間まで止まってしまう女性とは、恋愛もスローモーションになる

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