一人になって、自分を大事にしてくれる女性に出会いたいと心から思った
12人目の「なんで?」が残ったまま、それでも、次に行くしかなかった。正直、もうよく分かってなかった。
次に会ったのが、東京から戻ってきたばかりの女性だった。落ち着いてて、テンションも高くない。正直、手応えはなかった。でも、悪くもなかった。(まあ…いけるかもな)それくらい。
夜、空港に向かう道を走った。海沿い。暗くて、静かで、“それっぽい場所”だった。
車を停めて、外に出る。風と、波の音。遠くの空港の光。雰囲気だけは、完璧だった。だから、やった。そのままの流れで、キスした。その瞬間だった。
「やっぱりすると思った」
一気に冷めた。(あ、バレてる)雰囲気も、流れも、全部、“そうなるための動き”って見抜かれてた。ロマンチックでもなんでもない。ただの予定通り。
(俺、何やってんだろ)
そのタイミングで、
「ヒューヒュー!!」「プップーーー!!」
通りすがりの車から、クラクションと野次が飛んだ。完璧だったはずの空気が、全部壊れた。その時一瞬で色んなことが頭に浮かんできた…
(人前でキスとかできる男だったんだ)
(ヒューヒューってほんとに言うんだな笑 年頃だぞ!いちいち騒ぐな)
(なんか…発情したオス犬の邪魔したくなる気持ちがわかった)
(キスする流れだととか言わないで、必死なんだから)
彼女には見透かされて、知らないやつらには笑われて。
映画みたいなシーンをやろうとして、出来上がったのは、ただのダサい現実だった。
彼女は何も言わなかった。でも、それが一番きつかった。うまくいった感じはあるのに、何も残ってなかった。
帰りの車で思った。(これ、違うな)でも、何が違うのかは分からなかった。それでも、止まれなかった。次に行くしかなかった。
💡 今日のまふぇっと教訓
「雰囲気でどうにかなると思ってる時点で、だいたいズレてる」
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