「一人になって、自分を大事にしてくれる女性に出会いたいと心から思った。」
ナンパ同盟が終わって、一人で動くようになってからも、過去に知り合った女性との連絡は、いくつか続いていた。
その中の一人が、彼女だった。小柄で、茶髪のウェーブ。おとなしそうに見えるのに、グループの空気を握ってるタイプ。でも最初に崩れたのは、向こうだった。
「めっちゃ好み」
そう言ってきたのは、彼女の方だった。正直、楽だった。今までずっと、追いかける側だったから。嫌われないように気を使って、相手の反応を見て、合わせて。それが当たり前だった。
でも、彼女の前では違った。何もしなくても、こっちに寄ってくる。合わせてくれる。肯定される。
(あれ、俺このままでいいのかも)
初めてそう思えた。身体の関係になっても、それは変わらなかった。気を使わなくていい。頑張らなくていい。ただ自分のままでいれば、成立する。
(なんか…楽だな)
たぶんあの時、ちょっと勘違いしてた。
大学が始まり、半年以上地元に帰っていなかった。でも彼女とは連絡は途切れてなかったし、どこかで「また同じ感じでいける」と思ってた。それが、ズレてた。
夜、車で会った。助手席に座った彼女は、一度もこっちを見なかった。ずっと、窓の外。あの頃みたいな空気は、どこにもなかった。それでも俺は、同じノリで言った。
「…昔みたいに、エッチする?」
「なんで?」
間違いなく、食い気味だった。一瞬で、空気が止まった。
(あ、これ無理だ)
って、すぐ分かった。彼女は変わってた。たぶん、いろんな男と会って、いろんな関係を経験して、「選ぶ側」になってた。
ずっと彼女は自分のことが好きだと思っていた。忙しくて会えなくても、ずっと待っててくれていると思っていた…
でも本当は彼女の都合よく肯定してくれる環境に乗ってただけだったのかも。
たぶん彼女は、恋愛経験を積んで、もっと上に行っただけ。残ったのは、
(あれ、俺って…)
っていう、変な感覚だけだった。
💡 今日のまふぇっと教訓
楽に成立する関係ほど、実力じゃないことが多い


コメント